「一生かけ罪の償いを」…暴行死被害者の母陳述
北海道函館市で、私立高校3年の佐藤智也さん(当時18歳)が中学時代の同級生ら7人から集団暴行を受け死亡した事件で、起訴された少年4人のうち、傷害致死罪に問われた少年(16)の論告求刑公判が10日、函館地裁(柴山智裁判長)であった。
検察側は「無抵抗の被害者を痛めつけて楽しみ、自己の力を誇示しようとした短絡的で自己中心的な犯行」として、少年に懲役5年以上8年以下の不定期刑を求刑した。判決は27日。
検察側は論告で、弁護側の「第1現場となった富岡中央公園では暴行に加わっていない」との主張に対し、「富岡中央公園でも『早くやれ』と言ったり、被害者を逃がさないよう取り囲んだのは共謀にあたる」と反論した。
少年は事件当時、定時制高校1年で、佐藤さんとは面識がなかった。
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公判では検察側の論告に先立ち、佐藤智也さんの母親が意見陳述を行い、いまだ癒えぬ心の傷を訴えた。起訴された少年4人は、法廷でうつむいたまま問いかけにじっと耳を傾けていた。
母親は「智也ともっと話をしたかった」と無念さをにじませ、「こんなに短い人生なら、もっとやりたいことをかなえてやればよかった」と早すぎる死を悼んだ。「現実が受け止められない」とも告白。智也さんが朝に起きてきて、夕方に帰って来るような気がするが、「実際には写真でしか見られない」と嘆いた。
さらに、少年4人に対し、「どうしてそんな身勝手な理由で暴行を加えたのか理解できない」と問いかけ、「智也は『やめて』と言っても殴られ、たった一人暗い公園に置き去りにされ、どんなに痛く苦しく、悔しかったかを考えると頭がおかしくなりそう」と憤りをぶつけた。
また、「あなたたちはいつか社会復帰するが、智也には未来がない。自分の犯した罪を忘れず一生をかけて償い、同じ過ちを繰り返さないでほしい」と諭した。最後に、裁判官に向かって「智也の可能性に満ちた未来を無残に奪った少年らに、殺人罪に相当する厳しい刑を科してほしい」と厳罰を求めた。
(2008年3月10日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20080310-OYT8T00407.htm
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